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◆アジア杯 ▽準々決勝 日本3―2カタール(21日、カタール、ドーハ・アルガラファ競技場) 傷だらけのザック・ジャパンを、MF香川真司(21)=ドルトムント=が自身初の1試合2ゴールで救った。0―1の前半28分に今大会初得点を決め同点に追いつくと、1―2の後半25分にも再び同点ゴール。敗退なら14年ブラジルW杯の直前に次回(15年)のアジア杯予選を戦うことになっただけに、アルベルト・ザッケローニ監督(57)も胸をなで下ろす勝利だった。
香川の2発が日本代表を死のふちからよみがえらせた。1点ビハインド、しかも10人の後半25分、岡崎のトラップが相手DFに当たってこぼれたボールを見逃さない。ドリブルで抜け出すと、左45度の位置から強烈なゴールを決めた。2―2だ。心が折れかけていたチームに大きな勇気が注入された。伊野波の決勝弾も香川の突破から生まれた。全3得点にからみ、マン・オブ・ザ・マッチに選ばれた。「アウェーで厳しい戦いだったけど、チーム一丸で結果を残せてよかった」と笑顔を見せた。
前半28分には今大会初得点を決めた。岡崎が相手GKの頭上を越したシュートに反応。並んでいた相手DFよりも一歩早い飛び出しでフリーになった。頭で無人のゴールに押し込むと、体ごとゴールネットに飛び込んだ。「ほとんど岡ちゃん(岡崎)のゴールだったけど」と照れたが「1次リーグはふがいない戦いだった。結果が出たことはホッとしています」と振り返った。
開催国カタールのホームで、アウェー男の本領を発揮した。08年からこの日まで、通算60得点中34点をアウェーでマーク。他の選手が軒並み50%以下にとどまる中で、57%の高い決定率を誇っている。今大会からは初めて、代表の背番号10を背負った。10番の重圧は否定しているが、9日の1次リーグ・ヨルダン戦では相手GKとの1対1を外した。13日のシリア戦でも満足のいくプレーができず、後半20分に岡崎と交代。4試合目にして、やっと笑える日が来た。
所属するドイツ1部のドルトムントではトップ下でゴールを量産しているが、代表でのポジションは中盤の左サイド。複雑な思いを胸に秘めていたが、15日の練習後にはザッケローニ監督に呼ばれ「左サイドだけど、もっと自由にやっていい」と激励された。トップ下の本田圭とは頻繁にポジションチェンジをして相手を混乱させた。
自身初の1試合2ゴールにも「得点だけは良かった。他はダメ。ミスが多かったし、動きの質も良くない」と慢心は全くない。謙虚なエースの復活は、2大会ぶりの優勝へ大きな光となるはずだ。
ザッケローニ監督「香川の動きには非常に満足している。前半は中に入りすぎて、良くなかったが、後半はワイドに開いて、良さが出た。チームのために貢献してくれる非常にいい選手です」
やりました!ザック・ジャパン!!
香川選手も大活躍で苦しいながらも内容の濃い試合だったと思います。
本当に「強い日本代表」を見た気がして、非常に興奮する試合でした!